ハンカチノキ
Davidia involucrata
風に揺られてヒラヒラヒラ
別名:ハトノキ(鳩の木)、幽霊の木
科名:ミズキ科
属名:ハンカチノキ属
(ダヴィディア属)
学名:Davidia involucrata
原産地:中国
開花期:4-5月
落葉高木
個性
植物たちには
それぞれ個性があります
中国原産で花についた白い大きな2枚の苞(ほう)が特徴的で目を惹く。
4月下旬から5月あたりに咲く。
日本ではハンカチに見立てて、ハンカチノキと呼ばれる。
また「幽霊の木」という別名もある。
英名もまたHandkerchief tree(ハンカチーフツリー)やGhost tree(ゴーストツリー)、他にDove tree(ドーブツリー:鳩の木)などと呼ばれ、印象に残る木である。
一際、目立つ白い大きな2枚のハンカチ。これは、花ではなく【苞(ほう)】と呼ばれる部分で、花の根元につく葉っぱです。
例えば、ハナミズキのピンク、ミズバショウの白、ブーゲンビリア、ポインセチアの赤なんかも【苞】です。多くの場合、花は苞の中心にあります。小さくてあまり目立たないことが多いですが、その代わり苞が発達して、昆虫をおびき寄せ、受粉の手助けをしているというわけです。また苞は、蕾の段階で花全体を包むことで、外敵から守るという役割もあります。
葉なので花弁のようにぽろぽろと落ちることもなく、私たち人間にとっては長く鑑賞できるのもいいですよね。ちなみに花は中央の球状の部分です。
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ハンカチで思い出すのが、1976年のヒット曲、太田裕美さんの【木綿のハンカチーフ】。その歌詞の中で、
“都会の絵の具に染まらないで帰って”
とあります。「染まらないで」ということから、そのハンカチの色はハンカチノキのようにきっと白ではないかと想像します。ところが歌の中では、田舎を出ていった恋人の男性は東京の色にしっかりと染まってしまい最後は別れてしまうという、なんとも言いようのない結末に唖然とされた方も多いのではないでしょうか。
150万枚以上のレコードを売り上げた名曲で、男性女性のそれぞれの恋愛感がテーマの一つの興味深い歌です。
ちなみに当時、【木綿】という言い方は既に古く、【コットン】というのが主流だったそうです。あえて【木綿】という古い言い方をした女性の真意は?ハンカチノキを眺めながら、一度じっくりと歌詞を読み返してみてはいかがでしょうか。
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木綿の原料のワタ(綿)は、アオイ科ワタ属の植物。ハイビスカスのような花が咲きます。
学名
~名は体を表す⁉…
学名は世界共通の名前です
Davidia
-ダヴィディア-
フランス出身の生物学者・神父
アルマン・ダヴィッド
(Armand David)さんに由来
involucrata
-インボルクラータ-
「包む」を意味する
美
植物たちは様々なシーンで
魅力的な姿を見せてくれます